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研究室紹介

山村雅幸 教授

山村教授

私たちの研究分野は「システム生命学」です。個々の具体的研究対象は広範にわたっております。 これは「生命」を見る立ち位置と、研究を担当する学生の適正から自然に分かれてきたものです。 「生命を対象としたシステム科学」というメタな学問としては、ひとまとまりのものと考えています。

生命から学ぶ

システム生命学の基礎は数理です。数理とは言っても、紙と鉛筆で定理を証明してゆく伝統的な数学だけではなく、強力な計算機とランダムネスをツールとする現代的な意味での数理を指します。

生命を知る

数理を武器として、生命の謎に迫る生物学です。

生命を創る

最近新しく興ってきた分野です。生物の素材であるDNAやタンパク質を用いて、いわゆる「ものづくり」をします。



それぞれの側面はお互いに強く関連しています。 「生命に学ぶ」と「生命を知る」は、手法・基礎と応用の関係にあります。 また、「生命に学ぶ」と「生命を創る」は設計モデルと実験・実装の関係、「生命を知る」と「生命を創る」は理学と工学の関係にあります。

通常、大学や研究所の研究室では、対象を深く絞り込んでエフォートを集中させることにより成果を上げる戦略をとります。 これは研究スタイルが確立した学問領域で競争に勝つためには必要な戦略です。 私たちは、システム科学というメタな学問を通じて新しい領域を切り開くという局面の性格と、 テーマと学生のマッチングという教育上の方針から、特定の対象について集中することはあえて避けるようにしています。 具体的なテーマとして、これまでどんなことが研究され、現在どんなことを研究しているかについては、それぞれの紹介をご覧ください。 これからどんなことが研究されるか、それはお楽しみに。


2011年03月01日


小宮健 助教:システム生命学に斬り込む動的DNAナノテクノロジーグループ

小宮助教授

20世紀後半に遺伝子工学と電子コンピュータ科学が急速な進歩を遂げるなかで、生命と情報という背景も文化も大きく異なる分野の共同作業が始まりました。 21世紀初頭にヒトを含む多くの生物のゲノムが解読されたことで、生物学者にとって無限の世界であった遺伝情報全体が有限の世界へと変わり、 多数の構成要素からなるシステムとして生物を理解するという「生命を知る」スタンスは一定の理解を得ました。

しかし、現実世界で動作するシステムである生物がみせる、驚異的な能力とその構成部品は次々と発見されていますが、生命とは何か?という根源的な問いに立ち向かわなければシステム生命学は完成しません。 生物に着想を得た最適化や学習のための情報処理や、生物の微細構造を模倣した物質機能といった、「生命から学ぶ」工学をさらに発展させて楽しい社会を実現するためにも、 まだ誰も気づいていない生命システムの基本原理を探る挑戦が必要です。

そのためには、生物学では後回しにされてきた「生命を創る」アプローチをどのように実践するかが大きな課題です。 山村研究室では、高度に進化した完成された生命システムである細胞に新しい制御工学を打ち立てる合成生物学と、 生体高分子でブラックボックスのない知能機械システムを組み上げる分子ロボティクスの研究を行っています。


DNAやRNA、タンパク質という生命システムを構成する主要な生体高分子は、いずれも単位構造が直線状に連なったかたちで合成され、 文字列として扱うことができると同時にその並びに応じた物理化学的性質を示します。 この特徴がシステム生命学が成り立つ生命と情報の相性の良さの秘密であり、また、設計して動かしてみるロボティクスのアプローチを可能にしてくれます。

動的DNAナノテクノロジーグループは、分子ロボティクス研究のなかでも生物から取り出してくる必要のないDNA分子を使って、一からシステムをつくる“純粋分子ロボット”の構築を通じて、 自然の知能機械システムである生物の基本原理の解明に取り組んでいます。

動的DNAナノテクノロジーのもう少し詳しい説明はこちらへ。


2014年10月07日